やまなしの国保
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 以前、生徒と一緒に駅へ向かって歩いていた時のこと。目の前を行く男性が歩きタバコをしていました。その吸い殻を道端へ投げ捨てるのを見た生徒が、これを拾うことも徳になりますか?と聞くので、まず拾ってみたら?と伝えると、拾い上げ「ちょっといい気分になったから、他のも拾っちゃいます」と嬉しそうに言うので皆が大笑い。それ以来、生徒の間でいつでもゴミを拾えるように小さなゴミ袋を必ずカバンにいれておく、という習慣が始まりました。 「悪を行わないように心を見張るコツは、善を常に行っておくことだよ」という東洋の言葉があります。悪いことをしないように、といくら意識をしていても、たやすく破ってしまうのが私達。それよりも善い事を常に行うようにしておくと、もしも善いことを行いそびれても、悪い行いからは遠のいていられる、ということ。その善い行いの代表がゴミ拾いです。ところでみなさんは過去に他人が落としたゴミを何回拾ったことがありますか? ゴミを拾うという行為は誰にでもできるように思いますが、妙な気恥ずかしさが顔をだすこともあって、案外むずかしいものです。そこでどうか、一度試していただきたいことがあります。それは「朝起きてからできるだけ早いタイミングでゴミを拾う」ということ。受刑者の教育をしている私は、必ずこの「ゴミを拾う意味」を伝えます。なぜなら、これにはとても興味深い心理作用があるからです。それは「私達は目覚めてから最初につかった感情を中心として、その日に起こる出来事に意味づけをする」ということです。 もし、朝から(ちぇっ!何だよ!)と何かに不満を抱いたなら、その後に続くあらゆる出来事も、不満な点を見つける心がはたらきます。人と会っても(この人のこういうところが嫌なんだよな)と、嫌な一面を探して、素敵な一面を見落としてしまうなら、それはとても残念なことですね。│お│説│法│コ│ー│ナ│ー│̶身体と心の健康̶ Vol.8●尼僧●書画家●真解学総裁●拘置所篤志面接官●逆視道協会最高顧問瀧本 光静(たきもと こうせい)2012.5.17何向き?何事も前向きでないと、成就できないはず。でも、つい向いているのか否か・・・を気にしてしまいますね。「前向きに取り組むこと」その姿勢こそが向いている、ということなのだと信じています。7

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