やまなしの国保 4月号
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台所にある身近かな食材の中にも使い方や食べ方によって身体の不調を整える効果や効能があるものがあります。何となく調子が悪いと感じたら薬に頼る前に自然のお手当方法を試してみましょう。台所の薬箱おばあちゃんの知恵袋風邪や食べ過ぎに旬の野菜にはその時期に身体が必要としている栄養素がたくさん含まれていると言いますが、特に根菜類には春に必要なデトックスや造血作用に優れたものが多くあります。咳や喉の痛み止めには、サイコロ状に切った大根を蜂蜜に漬けて出てきた液の「大根飴」を少しずつ飲みます。打ち身や捻挫や火傷には、摺り下ろした里芋と同量の小麦粉を混ぜ、布へ1センチ程の厚みに伸ばした「里芋湿布」を患部へ貼ります。お腹の痛みや冷えには、こんにゃくを20分ほどお湯で茹でてタオルで包んだ「こんにゃく湿布」で傷むところを温めましょう。大豆の栄養を塩と麹で時間を掛けて発酵させた味噌。古くから消化を促進し、胃腸の調子を整え活力を全身に与える食材と言われてきました。この味噌の力にネギの血行を良くする成分、殺菌作用がプラスされたのが「ネギ味噌」です。お腹を冷やして風邪をひいたときや、動物性の食べ物を食べ過ぎたときなどに、おすすめの一品です。ご飯に乗せて食べたり、お湯を加えて味噌汁として食べると身体が温まりリラックスできます。身近な材料で簡単にすぐ出来て、日持ちもするので作り置きもできる健康食です。常備して毎日少しずつ食べましょう。①鍋にゴマ油を熱して小口切りにしたネギを炒める。②火が通ったらネギに味噌を乗せ、水を加えて混ぜずに加熱。③弱火にして水分が無くなるまで煮たらゴマを入れて全体を混ぜ合わせる。作り方ネギ味噌水ゴマ油白ごま: 1本: 大さじ1: 50ml: 小さじ1: 大さじ1材料 2人分に酵母がついて醤に似た食品が生まれて進化したなど諸説あります。しかしその後、室町時代には「種麹屋」という麹を売る日本独自の商売も始まり酒、酢、醤油などと一緒に全国へと広まっていきました。 江戸時代になると、味噌の大量生産も進み庶民の食卓で味噌汁が欠かせないものとなり、ことわざや書物などで味噌の健康効果が記されるようになります。中でも「味噌の医者殺し」や「医者に金を払うよりも味噌屋に払え」などからは、病気を治療するよりも日々の食生活で健康維持をするという当時の人々の考え方を知ることができます。 現在、味噌には、①腸内環境を整えて免疫力を高め、代謝を上げ太りにくい身体をつくる。②身体に溜まった老廃物を排出する。③生活習慣病を予防してガンのリスクを下げる。④高酸化作用でアンチエイジングをしてくれる。など様々な働きがある事が科学的にも分かっています。食生活が豊かになったといわれる現代ですが、江戸の人々のように毎日味噌を食べて、健康を保ちたいものです。 味噌は日本人の食には、なくてはならない存在ですが、その味は地方によって違いがあります。山梨県に伝わる「甲州味噌」は米麹と麦麹が半分ずつ使われ、さっぱりしていながら、まろやかで奥行きのある味わいが特徴です。 なぜこのような味噌になったのでしょうか。それは味噌が携帯食として欠かせない調味料だった戦国時代のことです。甲府は狭い盆地と斜面が多い地形で味噌の材料となる米の収穫量が足りませんでした。そのため武田信玄は冬の間の田畑の裏作として麦を育て、味噌を作るよう奨励しました。こうして生まれたのが米麹と麦麹で作る「甲州味噌」なのです。 また信玄は戦場食として「陣立味噌」を考案。大豆を煮て、すり潰してから麹と塩を加えて団子にしたものを袋に入れて腰に下げて出陣します。こうしておくと、進軍している間に発酵して味噌になるというものです。 織田信長を恐れさせ、徳川家康も三方ヶ原の戦いで大敗させたほどの強豪だった信玄。その強さの秘密のひとつは、この陣立味噌なのではないでしょうか。江戸庶民の健康食品米不足から生まれた甲州味噌【 根 菜 】こんさいネギ味噌じん だて み そ25

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