やまなしの国保 4月号
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る一定の時間を共有することが、私たち医療者に素晴らしい、満足感と喜びをもたらすのです。 あたかも患者や家族からのかけがえのない贈り物をいただいたと感じ、深い感謝と喜びの念を抱かずにはいられない時なのです。そのような時を経験すると在宅のターミナルケアは病みつきになり、やめられなくなるのです。 もう30年以上前、私が飯富病院で亡くなっていく患者たちの在宅医療を始めた時は、実は、このような医療形態に特段の有利な保険点数は与えられていませんでした。したがって、在宅医療はすればするほど赤字となっていたのです。 医師、看護師が夜間も拘束される状態で、山の中のがんや老衰の患者の家に行ったものでした。それでこれが不採算であれば、計算高い事務方が、「うちの外科医と婦長には困ったもんだ」と、口には出さねど、その評価は十分判ってしまうのでした。それでも、在宅で味わうことのできる喜びと満足感は、まさに掛値なし。採算度外視の魅力があったのです。 長田在宅クリニックでは当然のことながら、採算度外視は困るのです。患者や家族の満足感で評価されることは極めて大切ですが、複雑すぎると感ずるような、診療・介護報酬にのっとり評価された点数が全てなのです。 採算可能なラインにどのくらいしたら、到達できるのか。できなければどうなるのか。甲府市では初めての在宅に特化したクリニックの悩みは尽きなかったのです。 実によく働く、共立病院から来てくれた師長と厳正な選択を経て選ばれた、お気に入りの2名の事務員。たってとお願いした神経内科の医師も非常勤ですが、外来を受け持ってくれました。 このようなスタッフがいくら良くても、採算がとれなければ、どうにもなりません。 開院当初よりの訪問実績と在宅看取り率、及び当院の概要を以下に示します。開院時よりのゆっくりした訪問数の立ち上がりは、心理的圧迫を感じるには十分だったと思われませんか。長田在宅クリニックの在宅の文字が効いて、通常の患者は殆どなかったのですから。 平成28年になってから、少し落ち着いてきたように感じました。幸い29年になり訪問件数は300に近づいています。在宅看取り率も満足いく結果でした。 問題はまだまだあります。のだ内科クリニックとの連携はできましたが、甲府市内の在宅医療の連携網の確立はまだまだです。 「わたしたちの理念」の④項で示したように、在宅療養者を取り巻く全ての人たちとの連携は、③項の24時間365日の在宅医療の保障ともども私たちの眼目ともいえるものです。 多くの方々が、あえて言えば、発展途上の私たちの長田在宅クリニックに興味を持たれ、共に歩もうとしてくださればと思っています。 『連帯を求めて、孤立を恐れず』とは好きな言葉ですが、少し厳しすぎますでしょうか! ぜひ皆さん、ご一緒に在宅医療をやっていきませんか。ックの2年間開設:2015年4月1日・機能強化型在宅療養支援診療所(連携型)・住宅緩和ケア充実診療所(H28/4/1~) 職員:医師3名(常勤1名、非常勤2名)    看護師1名 医療事務員2名2016年度実績管理患者数:居宅77名 施設189名(特養134名含む)訪問・往診延べ回数:1706件緊急等往診62件在宅看取り患者数51名(在宅看取り率89.5%)当院概要診療実績05010015020025030012月11月10月9月8月7月6月5月4月3月2月1月12月11月10月9月8月7月6月5月4月2015年2016年訪問診療往診緊急・夜間・休日在宅看取り率(2015年4月~2016年12月)85.6%(83人/97人)1127621084111813866178109244566851051411511581671361271601771852191922272162132502184171019252015241324462126171515243029721

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