やまなしの国保 7月
20/36

 しかし、皆さんはこれで満足してはいないと思います。更なる高みを目指して手を打っていこうと考えているのではないでしょうか。 私が都庁にいたころ、債権の差押えを中心にした滞納整理を行い、徴収率を上げることができました。しかし、ある一定以上の徴収率からなかなか脱しきれない状況が続きました。さらなる高みを目指して そこで、国税徴収法第142条の捜索を行うことを職員に提案しましたが、答えは「NO!!」でした。なぜNOなのかを聞いたところ、「何をされるかわからない」、「失敗がいやだ」、「費用対効果が見えない」などという公務員一流のやらない、やれない理屈ばかりが返ってきました。 どうすれば職員が捜索をしてくれるのかと悩みました。そして、執行停止事案ならどうかと提案しました。この提案に職員は「停止事案なら、おとなしい人が多いのでやってみます」ということになりました。その後、捜索の勉強会を数回行い、とりあえず各係が四半期に最低1回は行うことにしました。 最初の係が捜索を行うときに私も一緒に行きました。滞納者は、「家に上がっても何もないよ」と、うそぶいていました。家に上がると、各部屋とも整理整頓されていません。私も、職員の捜索する様子を見ていましたが、「課長!!課長は隣の部屋の捜索をお願いしますよ」と言われ、隣の部屋に入り捜索を行いました。部屋には動産類はあまりなく、現金や通帳も出てきません。最後に押入れを開けましたが、布団しか入っていませんでした。なぜか私は、その布団の間に手を入れたのですが、なんと100万円の札束が出てきました。滞納者を問い詰めたところ、その滞納者に別の収入源があることが判明し、100万円は動産として差押え、残りについて新規の滞納をしないで、1年間で完結する分納の約束を取り付けたことがありました。このことが契機で捜索を活発にやるようになり、徴収率もUPしていったことを思い出します。 さて捜索ですが、すでに捜索を行っている自治体はその効果を実感されていると思います。また、その手法についてはお分かりになっているかと思いますが、おさらいのつもりでお付き合いください。 捜索は停止事案から1. 徴収職員はすごい権限を持っている 私も徴収の仕事に配属される前は、「捜索」は警察がやるものと思っていました。しかし、国税徴収法という法律を読んで驚きました。私たち徴収職員には、捜索をする権限があることを知りました。 国税徴収法142条1項に「徴収職員は、滞納処分のため必要があるときは、滞納者の物又は住居その他の場所につき、捜索することができる」とされています。 また、滞納者本人だけではなく同条2項に「滞納者の財産を所持する第三者が、その引き渡しをしないときや滞納者の親族その他の特殊関係者が、滞納者の財産を所持すると認めるに足りる相当な理由がある場合において、その引き渡しをしないときは、第三者の物又は住居その他の場所につき、捜索することができる」とされています。 私はこの法律を読んだとき、私たち徴収職員にはものすごい権限を持たされていることを知り、なんてすごい(素晴らしい)法律なんだろうと思いました。 捜索は財産調査の一形態で、法に基づく強制調査なので捜索の手法このままでは国保は崩壊するVol.9̶ 捜索の手法 ̶国保制度を崩壊させないために これまで二年にわたって、私の徴収に対する考え方や八丈島における実践などを書いてまいりました。今年も執筆依頼があり、どうしようかと思いましたが、今までは捜索をやろうと掛け声ばかりだったので今年は捜索の手法等について書こうと思います。お付き合いいただければと思います。その前に・・・ 今年の2月9日、厚生労働省から「平成26年度国民健康保険(市町村)の財政状況」が発表されました。この発表を見て私は嬉しくなりました。なんと、山梨県の現年分収納率が92.13%と対前年で1.12ポイントも伸びているではありませんか。伸び率は全国1位で全国ベースの倍以上の伸び率でした。順位も32位から27位へと躍進しています。全国に誇れる数字です。これは山梨県の市町村の収納(徴税)吏員の皆さんが差押えを強化するなどの取り組みを行っている結果だと思います。皆さん、本当に頑張りましたね。敬意を表します。18

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 20

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です